直線上に配置

裏磐梯・イエローフォール
うらばんだいyellowfall

2008.2.11(祝・月)の記録
 概   要  イエローフォールは、福島県北塩原村、磐梯朝日国立公園内、磐梯山の北側爆裂火口壁にある厳冬期のみ出現する凍った滝
 裏磐梯スキー場の上部リフトの終点から直線で約1.4km。地図では櫛が峰と銅沼のほぼ中間、又は磐梯山頂と弘法清水小屋を結ぶ延長線にある感じ。標高は1190m付近だと思う。(間違っていたらスミマセン)
 一般登山道からも少し外れているため、積雪のある厳冬期限定のお楽しみ。近年、スノシュートレッキングのツアーも出るほどの人気スポットになっています。
 お薦めの理由は@凍った滝の色あいAリフトが使えるので短時間で行けるB冬の裏磐梯の絶景が楽しめる
 場   所
 交   通
 仙台方面からは、東北道福島西ICから、国道115号、459号を通って裏磐梯スキー場へ。交通情報等で雪道の状態は要確認。国道115号から裏磐梯スキー場への約2kmの雪道は細く、急カーブは少ないものの結構坂を登っていく感じで緊張する。対向車に注意。
 注   意
 事   項
 我々は天候が良い日が続き(降雪が無い状態)3連休の最終日だったこともあり、入山者も多くトレースを頼れた。ただし林間ではトレースが何本も交差しており、私自身は下りのルートは現在地がわからなかった。(ガイド氏のあとをついて降りただけ)おおよそ1159mピーク付近経由で夏道に近いコースを辿り、第3リフトの東脇の樹林帯を下り、スキーハウスの東側に出たが、銅沼経由の往復コースが安全と思う。
 コ ー ス
 タ イ ム
 仙台南部→(車2時間15分)→裏磐梯スキー場→(リフト約10分)→リフト終点→(歩15分)→銅沼→(歩1時間)→イエローフォール→(歩1時間15分)→裏磐梯スキー場駐車場→(車30分)→沼尻温泉→(車2時間)→仙台南部
 ※所要時間:歩行2時間30分+休憩40分=3時間10分
 ※男性2名、女性1名
 ガ イ ド
 ブ ッ ク
「磐梯・吾妻・安達太良」エアリアマップ 昭文社
地図:「磐梯山」1/25000図

※カシミール3D使用  
※地図をクリックすると拡大します


   今回はDさんと私が、登山ツアーガイドのFさんの車に乗せられて、プライベートに
  ガイドをして頂くという、とても有り難い企画。それも、黄色く凍った滝を裏磐梯に
  見に行くという。私はスノーシューを新調して、スノーシュートレッキングに初めて挑戦。
→道の駅「つちゆ」
 7時50分に南仙台発。東北自動車道を白石ICから乗り、福島西ICで降り、国道115号へ。
 9時に道の駅「つちゆ」に到着し、トイレ休憩。営業時間は朝9時からだそうです。
 駐車場から西方向には、下の写真のように吾妻の山々が見えていました。我々は二つの山塊の間を通り抜けて裏磐梯に向かいます。
 ↑箕輪山、鬼面山?道の駅から   ↑高山(吾妻小富士)方向 道の駅から  
→裏磐梯スキー場駐車場
 115号線沿いの「つちゆ」から、約1時間程で裏磐梯スキー場に着く。南仙台からは2時間15分程で到着。裏磐梯五色沼周辺は、夏場と違い車はまばら。459号からスキー場へと左折すると、細い雪道で傾斜も急。急カーブは少ないものの圧雪道運転は熟達者向き。Fさん運転お疲れ様でした。時刻は10時過ぎ。
→1基目リフトに乗る
 駐車場のすぐ上のスキーセンターでリフトのチケットを購入。トイレを済まし、身支度をしてスキーセンターの脇からリフトに乗る。
 リフトに乗ってすぐ、進行方向を見た景色。左奥の櫛ケ峰と右奥に磐梯山頂が見える。
 それにしても、スキーヤーの見えない裏磐梯スキー場。(帰りは左の黒い樹林の中を下ってきます。)
→1基目リフトからの下の景色

 リフトに乗ってすぐ、振り返ったら、吾妻連峰が一望。わ〜、これだけでも来た甲斐があった素晴らしい景色。
 スキーセンター前は祝日のせいか、いくらか人影が。スキーセンターは、見かけは地味だが、トイレ等の設備はキレイで充実している。
→リフトの終点
 リフトは2基乗り継いで、標高1100m付近まで楽をする。(リフト乗り場は標高910m位)料金は片道600円でした。


 下の写真は、リフトの終点から見た、白い檜原湖と西吾妻の山々。↓

リフト終点から北の景色
→身支度をする

 磐梯山の頂きが、正面爆裂壁の奥にちょっとだけ見える。このあとはもう、距離は近づくものの、前の壁に隠れて見えなくなる。
 スノーシューを着け、ストックを持ってイザ出発!正面の雪の広場(池)の左側の林の中をゆっくり進む。
→銅沼(あかぬま)到着

 リフト終点から15分弱で銅沼の案内板に到着。沼を見下せる見晴らしいい場所。沼は凍っているのか、白い雪原になっている。
→噴火のあと
 左の櫛ヶ峰から、磐梯山の天狗岩付近まで、みごとな吊り尾根。
 明治21年7月15日、朝7時45分に水蒸気爆発した折の土石流の本流は、まさにこの辺りを流れ下ったのだろうか。文献によると、下の現在檜原湖付近集落は跡形もなく押しつぶされたそうだ。
→沢山のトレース、踏み跡
 雪も降らず、3連休の最終日とあって、
イエローフォールには沢山の人々が訪れた
のだろう。トレースや踏み跡はバッチリついて
おり、これなら迷わずに滝まで行けそうだ。
沼の右手を行くが、途中で左下の銅沼の雪原
に降りる。
→銅沼の脇の噴気
 銅沼の脇に、今も噴気口からの煙が見える。写真は赤い光が入ってしまっていて見えにくいが、中央の白い煙がそれ。
 もう見えないが、後ろの壁の奥に磐梯山頂が隠れている。しばらくなだらかに登っていくと、右手に深い沢が見えるあたりから、急登となる。
→まさかあれ?見えたけど!
 スノーシューの爪を効かせながら、急登に息を切らして登りきると、広い雪原に出る。大きな岩もあちこちにある。
 やっと櫛ケ峰の山裾に、イエローフォールが認識できた。東洋のスイスとも評される迫力ある岩稜地帯にあっては、黄色いしみのようにしか見えない。
  下(北)を見渡すと、吾妻連峰の左下に桧原湖が見える↑。文献によると、
  噴火の土石流は、今の檜原湖の奥まで至った。噴火直後、運良く助かった人たちは
  今度は家屋の水没から逃れて高台に移り住む。環境の激変で沢沿いの道は険しく、
  村民は湖上往来していた。昭和36年になっても船が沈没し、物資運搬の人々が
  亡くなっていた、との事です。
→ちょっと休憩のお二人

 1時間歩いたし、もうあと少しの所で一服とする。
景色は素晴らしく、暖かくて無風。いやあ〜幸せ。ガイドのF氏は「みんなにも見せてあげたかったね」とポツリ。
 ここからゆるやかに登っていくと、お待ちかねのイエローフォールが見えて来ました。
→イエローフォール@

 ハイ着きました!
滝に雪が積もってしまい、予想より黄色い部分
が少ない。でもおみごと。
 先客もおり、撮影に余念が無い。おすすめの撮影角度もあるらしいがうまく撮れません。
→イエローフォールA

 下から見上げるとと巾も落差も10m以内の感じ。岸壁からしみ出た水が凍った滝という事なので、ボリュームもさほどない。裏磐梯スキー場のHPには落差は20m巾15mとある。気象条件でもっと成長するのかもしれない。
→イエローフォールB

 左のつららが薄い黄色で、中央部分はグレープフルーツのルビーの色に近い。イエローと言うよりはオレンジ。(年や時期で色も違うようです)
 岩からしみ出す磐梯山の伏流水が、氷の滝をつくる。
 水に含まれる鉄分など成分で、このような色をつくり
 だすとか・・・。(福島県北塩原村HPより抜粋)
→イエローフォールC

 近くでは、こんな感じ。ガリガリ君にオレンジ味があればこんな色かも。人目があるので流石に味見はしなかった。
 これを最初に見た人は興奮したでしょうね。
→飯豊が!

 イエローフォール自体は、予想していたより小ぶりだった。写真を撮って、正味10分位の滞在。さて出発と振り返ると、飯豊が見えた。いやはや、スゴイ!景色。こんなに晴れていいのかしらんと思うほど穏やかな日でした。
↑イエローフォールから見た景色
左のトレースは往路を引き返す、中央は右側の小高い丘1190mピークを越えて
スキー場に至る林間コースである。我らは中央のトレースを行く。
違う国に来たようです。
→高台にて休憩

 イエローフォールを出発して30分位来た処。イエローフォールはあの辺り。
 あまりの景色の素晴らしさに、「これだから山はやめられないよね」とガイドのF氏。
   →すごいよ!
→トレースに従って
 新雪や視界が無い時には難渋しそうだが、天気に恵まれトレースはあるわで、お散歩気分。でも、これは熟練ガイドと一緒だから味わう幸せ。林間には、スキーや足跡がいくつも枝分かれしていて、これが一人だったら、こんなに呑気では有りません。
 
下は、見晴らしのいい所からの展望。豪華でしょ。
  スキー場に近くなると、木々が高くなり、見晴らしは効かない。途中、リフトに行こうと
するトレースとそのまま下ろうとる足跡がいくつもある。ガイド氏は飄々と難なく方向を
定めて下っていく。帰りはスキーのリフトは利用せず、スキー場の脇の林間を下る。
 リフトの終点辺りに急な下りがあるのだが、私のスノーシューは下りに爪が効かない
ので、尻セードとなる。雪も深いので雪だるま状態になって下る。又急な下りは
スノーシューのしっぽが雪面に当たって邪魔な感じがして、慣れた輪かんじきが
恋しくなる。下りは割りと長く感じた。(滝から1時間15分位かかった。)
→林間の木々

 下山途中、空を指差したF氏。何かの実のあとか。(ツルウメモドキ???)
→やっとスキー場に出ました!

 スキー場の脇に出てきました。スキー場にはリフトが3つあり、下ってきたのは第3ロマンスリフトの下部。写真左手上に少し上るとスキーセンター。我々は、正面の駐車場に向かいます。
→駐車場に戻る

 午後2時過ぎに帰着。イエローフォールから、
休憩1回含み、約1時間30分かかった。本日の行動は3時間10分。奥に見える真ん中の高いのが磐梯山です。懐の深い、まさに宝の山でした。
→夕暮れの田部井淳子さんのペンション
 Fさんの特別なお計らいで、帰りに訪れたのが、「磐梯沼尻高原ロッジ」。国道115号から少し入った、沼尻スキー場にある。掛け流しの温泉宿で、田部井淳子さんの展示室があり、昔の登山装備を懐かしく見入った。全て満たされて帰路につきました。

参考文献:「磐梯山」福島民報社


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