都井岬の野生馬2

馬って、自動車と違って、生き物なんです!

って生き物なんです。 ガソリンやったら走る自動車とは違って、餌やりゃ走るってものじゃないんですね。 馬にも気分や感情があって、イヤなときはイヤなんです。 ペットのワンちゃんと一緒なんです。 なあ〜んて、今だから言えるんですけどね。

残念なことに、若くって自己中心的すぎたんですねえ。 馬が外に出ようとしないもんですから、コンチキショウ!とカッとなってしまったんです。 大きな勘違いのプライドを、傷つけられた気分になったわけです。

そこで、思いっきりグイッと手綱を引いて馬の鼻を出口に向け、同時に両足の踵(かかと)で馬の腹を蹴って体をグッと前に押し出すようにしたわけです。 こうすれば馬は動き出しますよ。

確かに、馬は動きだし、出口をでたんです。 ただ、私が体を沈める余裕が全くないほど、スイッと出ちゃたんですよ〜。
それで?って、大きな鴨居に頭をぶっつけたに決まってるじゃありませんか… しかも、イヤッていう以上にね! 例のごとく、キラキラ、キララ、クラクラ〜ですよ。

落馬したかって? しませんでしたよ!
気は失わなかったので、仰け反りながらも手綱を引き、なんとか踏ん張りきりったんです。
まあ、周りの人は、余りのアホさ加減に呆れ顔して… 大丈夫か?って訊いてもくれませんでした。

馬の思い出

馬の思いでは沢山あります。 学生時代の友人の話も含めて…
馬って泣くんですよ。 知っておられました? エッ、ヒヒーンとなくんだろうって? そりゃあ、モーとは鳴きませんよ。

馬の顔馬は泣くときに声は出さないんです。 あの、おーきな澄んだ目に、涙をいっぱい浮かべて泣くんです。 あ〜あ、可哀想なことしちゃったなあ、と人を後悔させるに充分、悲しそーな目をするんです。
その目を見てしまったら、ジ〜ンときて、自分が極悪人のように思えてしまいます。

たぶん、多分ですよ… あの目を真似ることの出来る女性がいたら、彼女は完全に男性を手玉に取ることが出来るんでしょうねえ。 もっとも、私が知らないだけで、既に沢山いらっしゃるのかもしれませんが。


次は、二つの落馬… 一つは私で、もう一つは学生時代の友人です。


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