2007年10月9日
たいした人物でもないのに、大上段に振りかぶるのは疲れます。剣道でも大上段の構えは隙だらけになり、上段者でなければ難しい構えだそうです。

さて、主催者側が発表する野外集会の参加人数の件ですが、有料入場券(?)を発行した場合でもなければ大きな誤差がでる可能性は無視できないでしょうね。勿論、意図的に数字を捏造してしまうこともあるでしょう。

今月6日のMSN産経ニュース政局欄に、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の参加者数が主催者発表の11万人を大きく下回っていたことが明らかになった、という記事が掲載されております。沖縄県警幹部が「実際には4万人強だった」と産経新聞の取材で語ったそうです。その記事の中で一生懸命具体例を挙げて、警察幹部の数字の信憑性が高いことが力説されております。余りにも大きすぎる違いではありますが…警察当局が意図的でもない限り、その幹部が語ったという数字の方が、多分、実際の人数に近いのでしょう。

さすがに言及しておりませんが産経としては、沖縄県民の大多数が参加したとは言えない、つまり、必ずしも大多数の沖縄県民が
「軍の命令・指導による集団自決であったと信じているとは言えない、と言いたいのでしょう。

善悪は別として、このような手法は、歴史認識を議論する際によく使われます。
しかし、新聞社にしては論点がずれているようにも思います…人数がどうのこうの言う以前に色々の角度から当時の状況を分析して、実態をどう判断するのか主張して欲しいですよね。
新聞がどの分野においても「公明正大」だなどと信じている人は、今でも多いんでしょうか?
学校ではどのように教えているんでしょうかね…


2007年10月8日

戦闘行為を行っている戦艦への給油は武力行為の範疇には入らないのか?

米国の某所で、ショットガンを持って銀行を襲った連中が警官隊と撃ち合いになり、民間人も含めた数名の死傷者が発生した。後で判ったことだが、銀行強盗に使われた彼等のショットガンの弾薬は、ある金持ちが供給していた。が、その金持ちは銀行強盗には無関係だと主張した。
しかし、その金持ちは銃器類の商人ではなかったために銀行を襲った仲間の一人と判定され、しかも死傷者の発生責任も負う羽目になった。
つまり、その金持ちが銃砲店を経営していて、銀行強盗の連中が弾薬をその店で買っていたとしたなら、その金持ちは言い逃れできたかもしれない。

仮に、日本国がインド洋で船舶への燃料給油所を経営していて、そこから他国の戦艦が給油を受け、その燃料代を支払っているとしたなら、日本は戦闘行為には参加していないと明確に言えるだろう。

兵站(戦場の後方にあって、兵器・食糧・燃料などの管理・補給に当たる機関)の役割は、戦闘行為そのものとも言えよう。馬鹿みたいな話だが、政権与党は給油だけで武力行為には参加してないと曰っている。世界の「有識者」の一体誰がそんな戯れ言を認めると言うのだろう!? 内心ではアホな連中だと思っているだろう…

ある意味では給油活動は最も危険ではないのか!?

給油活動は最も危険な役割とも言える。特に長期戦の場合はそうだ。
敵軍隊の戦闘能力が一番脆弱で、かつ軍隊全体へ最も効果的なダメージを与えられる部分を集中的に攻撃する作戦は定石とも言える。その部分は兵站に他ならない。

味方の他国の船が日々どのような活動をしているのかさえも分かっていないと言う日本当局の連中は、給油活動を行っている日本国の自衛隊が何故に安全であると言えるのか!!
政府の説明は自家撞着の極みと言えよう。

よくこんな体たらくで国連の常任理事国入りを画策できたものだ

政権与党は戦闘行為の範囲外だと主張し、民主党の小沢代表は戦闘行為に相当すると主張している。範囲内であればテロ特措法に基づく給油は、いや当該特措法自体が憲法違反となる。
トンでもない結果になる可能性もあるので、政権与党ではこの問題を真っ正面から議論しようとはせず、最も安全でコスト効率が高く国際評価もされているという点をひたすら喧伝している。大手新聞社や政治評論家達も大合唱して自民党政府を擁護している。何とも情けない連中だと、参加している他国の指導者達は思っているに違いない。

常任理事国は国連の安全保障理事会を構成する核保有5カ国で、米国・イギリス・フランス・ロシア・中国となっている。軍隊は出せないが金は出すという国が、常識的に考えて、常任理事国になれる、あるいはなるべきだと思いますか?

ある二国間で武力紛争が起きたとします。米国や欧州勢は近年の軍事介入で無視できない数の自国民の戦死者が出ていたので、今度の紛争に関しては外交努力だけにして様子見を決め込もうとした。しかるに新常任理事国になった日本は、その紛争が日本が利権を持つ第三国に飛び火する可能性があるため、早急の軍事介入によって沈静化を図りたかった、とします。
そこで日本は戦死者の数にはそれほど拘らない中国の支持を何とか取り付け;
日本
「我が国が余分に出資しますので、是非、早期の軍事介入の決議にご支持を…」
イギリス
「なに!? もっと我が国の犠牲者を増やせとでも言うのかね…」
米国
「我が国も暫くこれ以上は犠牲者を増やすことに国民の支持は得られん」
ロシア
「金はもういらん。人を出してくれと言っても、まあ無理だろうが…本当に特殊な国だなあ」
フランス
「やっと少子化問題が解決してきた今の流れを止めるわけも…」
日本
「本件と貴国の少子化問題とは、なぜ関係するのですか?」
フランス
「いや世論の問題でね。せっかく子供を育てても、戦争に取られるのではという…」
日本
「……」
米国・イギリス・フランス・ロシア
「我々が資金を出すから、思い切って日本が主導して軍事介入をしてみては如何かな?」
日本
「!? !? !?」
中国
「どうしようもないやっちゃな」


私は、日本は常任理事国入りをし、日本独自の視点で大きな役割を担うべきだと思います。
しかし、金は出すけど血は流さないという今のままではダメです。少なくとも軍事介入を含む国際平和維持活動に参加できる体制を作り出さないことには、日本固有の事情は理解されても、世界のリーダーの一国として国連を通して世界平和に貢献したいという意志は理解されないでしょう。
そうすると、日本が主張する核兵器廃絶に向けた世界の歩みは、いつまでたっても進まないでしょう。

他方では、第二次世界大戦の戦勝国が創設した「国際連合」は、現在でも日本を敵国扱いしているなどの理由で、本気で御輿を担ぐ相手ではないという否定的見解を述べられる方々もいます。
確かに、今でも「敵国条項」(1995年の総会で憲章から敵国条項削除を求める決議はなされた)は、死文化された条項と言われつつも残っています。また、「憲章」自体が戦勝国と敵国という概念を色濃く表しています。

しかし、現実を直視するなら、「憲章」の全文に謳われている国際連合の理念は崇高なものであり、かつ、近い将来に国際連合に替わりうる組織・団体があるとも思えません。むしろ、強大な軍事力を有する国の横暴を抑制する可能性をもった世界的組織は、国際連合しかないと言えます。

理想は高いが、十分に機能してはいないと言われます。
確かに、常任理事国として指導的立場にある筈の米国自体が国連に縛られることを嫌う場面が少なくないようです。勿論、米国だけではありませんが… そのような現状を考えると、国連は大国の利害を超えた立場に本当に立てるのかという疑問もあります。
しかし、いつになるかは分かりませんが、私はそういう立場を確保できると思います。現在でも、国連は大国の身勝手な活動に引きずられずに国連独自の行動も起こせるようになったようです。

国際連合は未だ成長過程だとも言えるでしょう。憲章の理念に沿って修正再検討が必要な条文もあると思います。日本が国の体制を整え、常任理事国として参加することによって、その成長速度を速める役割を担うことができる、と私は考えます。

世の有識者と言われる人々が、なぜ合憲・違憲論議を取り上げないのか不思議でならない。声を大にして憲法の理念を力説しているのは、どう見ても小沢さんだけです。
政治家が原理原則を曲げてしまったらどうなるか、日本は自分の歴史から学ぶことができます。

2007年10月4日
四ヶ月振りの書き込み再開です。その間に政治の世界が大きく動き出しました。
先の参院選で民主党が大躍進をし、野党勢力が与党を上回ってしまいました。
前首相の安倍さんは、ご自分でおっしゃっていた「再チャレンジ」のチャンスさえ失うような辞め方をなさいました。あんなちゃらんぽらんで鉄面皮な小泉さんと連んじゃったのが敗因でしたね。

小泉バラエティー劇場の幕が下り、アンコールの大合唱に応えるかのように小泉さんの推薦で安倍さんのご登場となったわけだったんですが、アンコールの大合唱を行ったのは既存体制擁護のマスコミや評論家達で、一般庶民ではなかったのですよね。堺屋太一氏の「ベルサイユ化」ではありませんが、本当に権力側にいる人々(官僚・マスコミ含む)は世相に疎くなってきているんですね。そういう訳ですから、一部の勝ち組に上手く利用されてしまっているとも言えますでしょう。


それにつけても、マスコミ・評論家の先生方が民主党の小沢代表に絨毯爆撃のような強烈なバッシングを連日浴びせていますね。どういう訳か分かりませんが、小沢さんが表に出てくると彼等は常に彼等自身の品性を落としてまでも罵ります。余りにも酷すぎるので、彼等は小沢さんが権力を握ることに恐怖感を抱いているんじゃないかと思ってしまいます。恰も、共産党が今にも政権に就きそうだと喚いているかのようです。もしかして、彼等は共産党政権より小沢はもっと怖いと思っているかも… 本当の小沢支持者でもない私でさえ、チョット酷すぎませんか!と言ってみたくもなります。

しかし、最近の政治では、何だかんだ言っても全国で600万以上の票(支持者)を持つ小沢さんの政治家としての高い力量が発揮されているとしか言いようがないですね。
ある経済評論家の先生が言ってましたが、小沢さんは物事に対して明確に発言なさるので判りやすいそうです。私もそう思います。だから、評論家は攻めやすいのかも…です。


ところで、面白い書き込みを見つけましたのでご紹介します。

中西輝政氏を糾弾する!
中西輝政氏は京大教授として西の政治的タカ派の代表論客の一人として位置づけられているようだ。民主党では前原議員が彼の代弁者のように見受けられる。一般的に、松下政経塾が思想的に彼の理論の影響を強く受けているようにも思われ、オピニオン誌の一つである「Voice」の編集方針・傾向をみれば納得できそうに思えてくる。

彼の主張の流れには国家の観念はあっても、国家権力の暴走を制御する根本の手段である憲法に対する観念がない。そのことは、国家が全てに先行して存在し、その枠組を形成する法や制度等は二次的存在であるかのような理論の展開にみられる。
そして彼の国家観は、他国との緊張感の上で初めて認識・意識される存在として位置づけられている。これは、形而上学における個としての人間の確立を敷衍した国家観である。
私は、そのような彼の観念を否定するつもりはない。勿論、一学者としての立場を考慮すればの話である。

彼の犯している誤謬は、彼の専門分野の一理論を現実の政治に直接的に当て嵌めようとすることである。そのために彼はマスコミを通じて、結果的に大衆煽動的政局を作り出している。

学者と政治家の根本的な違いは、己の理論に国家を制度的に形成している法的過程を組み込むか否かである。政治家がその過程を無視するなら、学者と何ら変わらなくなる。「ソクラテスの毒杯」をあげるまでもない。

もし、その過程を無視して政治的行動を起こすとすれば、それは「クーデター」の範疇に入ってしまうことになる。私はクーデターそのものを否定するつもりはないが、クーデターにつながるような発想でもって学者が国会議員を評価・非難するべきではない。 …云々』


ご承知の方も多いと思いますが、ここのところ中西教授は強烈に小沢さんを非難なさっています。小沢さんの生い立ちに遡ってまで言及しておられますので、小沢という存在価値の全否定をなさりたいかのようです。まあ、確かに学者としては品性に欠けると言えるかもしれません。

何故あんなにも中西教授はイキリ立っておられるんだろうと思うに、どうも小沢さんに民主党を乗っ取られたと思っておられるんじゃないだろうか?と考えてしまうわけです。私の勝手な推測ですが…

民主党に松下政経塾(佐高信氏は松下未熟塾と揶揄してますが)出身者が現在17人おられます。全体の議員数からすれば多くはありませんが、マスコミから次世代を担う若手と称される方々の中では松下政経塾出身者が多いと言えます。その中の一人が前原前代表です。(彼の失脚と安倍前首相の辞任劇には共通点がありますね…頼りなさ・脆弱さという点です)
松下政経塾出身者の政治的傾向に鑑みますと、なぜ彼等は自民党に入党しなかったのかと思ってしまいます。確かに、自民党にも松下政経塾出身者が14名おられます。僅か3名ですが、民主党の方が多いわけです。彼等共通の主義主張からするなら、自民党におられる人数の方が圧倒的に多くても不思議はないのです。

私のゲスの勘繰りでは以下のようになります:
松下政経塾は松下幸之助氏が70億円もの私財でもって1979年に設立したようです。いわゆる天下をとった方ですから、縁の下の力持ちとして社会に貢献しようなどと持っている方は入塾しないでしょう。また、様々な一言居士達(学者も含め)はその政経塾に影響力を持ち、自分の主張を社会に認めさせたいという欲望に駆られたとしても不思議じゃありません。中西教授もその一人でしょう。

手っ取り早く塾出身者達が頭角を現すことができる政党は組織が硬直化している自民党ではなく、寄り合い所帯的な民主党であったわけです。民主党の旧社会党系は難民化しており、鳩管では政権が取れる程に組織を牛耳ることはできないと踏んだんでしょう。時間とともに次世代に対する期待が高まりさえすれば俺たちの出番と思ったはずです。確かに、松下政経塾関係者達の思惑通り行きかけました。
(続きます)


2007年10月6日 (上からの続きです)
しかし、残念ながらメール問題で蹴躓いてしまいました。ご本人が党運営に関して経験者達に相談せずに若手中心の独自性を出そうとしたものですから、結果的に間違った方向に独自性を出してしまったんですね。まあ、佐高信さんが松下未熟塾と揶揄する所以でもありましょう。
その後、菅さんか鳩山さんでも代表に返り咲いておれば問題なかったんでしょうが、カリスマ性を帯びた求心力をもつ小沢さんの代表就任の流れになったものですから大変慌てたことでしょうね。つまり、近い将来の復活可能性が前原さんには無くなったということです。

このような状況は松下政経塾関係者達にとっては由々しき問題です。だからといって潰れかかっている民主党内部をガタガタさせるわけにもまいりません。そこで、外野から極度の小沢バッシングを浴びせることによって小沢代表の失脚を早めようと目論んだとしても不思議はありません。どうもその最前線に中西教授がおられるように思うわけです。



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