後ろ身頃ではバスト線より上の背丈部分に着込みの分量 0.7 cm を加えます。肩ダーツの頂点 M の位置で水平に切り開き、垂直に 0.7 cm スライドさせます。
この操作は『パタンの操作2』に述べましたので参照ください。操作の結果 Y 〜 M と袖ぐり線との交点 m1では袖ぐりが僅かに開きます.
肩ダーツの頂点 M では後ろ巾の拡大 1.5 cm と 着込み分量の拡大 0.7 cm と上下左右に開きます。巾と丈の開き分の中央に頂点を移し M' として肩ダーツ線
M1 〜 M 〜 M2 を引き直します。また袖ぐり線との開き口 m1とも結び直し,これを 0.5 cm に拡げて固定します。
前身頃ではバスト線の位置で 0.3 cm の着込み分量を加えます。Bp の頂点の位置で水平に切り開き、垂直に 0.3 cm スライドさせます。この操作は『パタンの操作2
』に述べましたので参照ください。操作の結果 X 〜 Bp と袖ぐり線との交点では袖ぐりが僅かに開きますが、これを 0.5 cm に拡げて固定します。
☆ 肩丈のゆるみの増加
後ろ身頃では肩ダーツの頂点 M より水平線を出し、M 点を基点にして肩先部分を回転させ、袖ぐり線で 1.0 cm 切り開きます。
前身頃では後ろの肩点から切り開き点( ab 〜 m2 )の長さを肩点 Ab から下に取り d2 とし、d2 と Bp を結んだ線を切り開き線とし、Bp を基点にして肩先部分を回転させ、袖ぐり線で 1.0 cm の高さになるように切り開きます。
衿ぐり線から袖ぐりに向けて切り開き線を設定します。衿ぐり線ではこれを3等分して h から 1/3 の点を h1 とします。
肩点 ab とダーツ点から水平線と袖ぐり線との交点 M2 との中間点 m3 とします。
m3 からダーツ線まで肩線と平行線を引き、閉じられたダーツ線との交点を n とします。n と衿ぐり線の h とを結び、h 〜 n ~ m3 を結んで切り開き線とします。
双方を繋げたまま袖繰り線で 1.0 cm 開きます。これで肩点の新しい位置が決まります。
下図は肩点が決まった状態で背中心線部分を戻して再び方ダーツを開き、パット分量を増加させた状態です。
前身頃では上図、中央のように前中心線から Bp に水平線を引き、切り開いてダーツを閉じます。
衿ぐり線から袖ぐりに向けて切り開き線を設定します。衿ぐり線ではこれを3等分して H から 1/3 の点を H4 とします。
袖繰り線では、肩点 Ab と先のカマ丈増加の際に開いた d2 との中間点を d3 とし、d3 からダーツ線まで肩線と平行線を引き、閉じられたダーツ線との交点を g とします。g と衿ぐり線の H4 とを結び、H4 〜 g 〜 d3 を結んで切り開き線とします。
双方を繋げたまま袖繰り線で 1.0 cm 開きます。これで肩点の新しい位置 Abが決まります。
下図は肩点が決まった状態で背中心線部分を戻して再び方ダーツを開き、パット分量を増加させた状態です。
カマ丈の拡大には二つの方法があり、A は肩ダーツ、バストダーツを狭める事によりカマ丈を増加させ、B はダーツの開き分量には影響
を与えずに増加させる方法です。組み上げた状態での相違は A は背面の肩まわりが平らになって肩甲骨の丸みは減少しますが B はダーツの造る丸みには関係なく、パット分量
が増加します。一寸面倒せすが両方を習得するとパットを入れる必要のある他のケースの場合に利用できます。
☆ 肩巾の調整(肩点の設定)
E 〜 ab を結び E から拡大分量を含む後ろ肩巾をとり A とします。A 〜 ab は後ろ肩のダーツ分量になります。
E 〜 A をコンパスにとり、E を基点に円弧を振ります。また後ろ肩ダーツの頂点 M からっ肩点ab を結んでコンパスに取り、M を基点に円弧を振り、双方の交差する点を
B とすると B は後ろ肩ダーツの閉じた状態での肩点になります。
h 〜 B を結び、2等分して中央を M1 とし、M1 〜 M を結んで後ろダーツの切り開き線とします。
別紙に M 〜 M1 〜 B を写して M を基点にして B が ab に合わさる迄右にふります。B と ab が合致した状態で ab 〜 M2 〜 m を写します。M1 〜 M2 はダーツ
分量で、h 〜 M1,M2 〜 ab は後ろ肩線になります。
前身頃では肩点 Ab を基点に後ろ身頃の h 〜 B をコンパスに取って肩線上に円弧を振ります。
Bp より垂直線を出し、ネックポイント H より水平線を引き、交点を v1 として Bp 〜 v1 〜 H を別紙に写して Bp を基点にして左側に振ります。(下図中央)
Ab から振った円弧と左に倒した H 点と合致する点をHs とし、Bp 〜 v1 の垂直線との交点を f とします。f 〜 Hs の肩線を写してBp を基点に右へ戻しますと新しい
肩線 H 〜 f ' が得られます.
Ab 〜 f , f 〜 H は新しい肩線で、f 〜 f' は新しいバストダーツ線になります。
☆ カマ丈の繰り下げと袖ぐり線の記入
後ろの衿ぐり線の E を0.3 cm 下げて E' として後ろ衿ぐり線を引き直します。前身頃では衿ぐり線の H2 を 0.5 cm 下げて H2' として衿ぐり線を引き直します。
後ろの袖繰り線と脇線の交点 Sb では 1.0 cm 下げて Sb' として後ろの袖繰り線を引き直します。前身頃でもSf を1.0 cm 下げてSf' として袖ぐり線を引き直します。
☆ 完成
前後の身頃ともに裾線を繋げて完成パタンとします。後袖ぐりでは新しいカマ丈に合わせて C1 の位置を改めます。前袖ぐりでも新たなカマ巾を4等分して 1/4 の高さを
とり、Ae の位置及び d 点の位置を改めます。