[ 配分の計算 ]
バストの拡大分・・・ 120 mm
重心線の前側の拡大分量・・・ 32 mm ・・・前巾拡大分 重心線の後ろ側の拡大分量・・・ ( 12 mm + 16 mm = 28 mm ) ・・・カマ巾+後ろ巾の拡大分
ウエストの拡大分・・・ 180 mm 重心線の前側の拡大分量・・・ 180 mm × 1/4 = 45 mm 重心線の後ろ側の拡大分量 ・・・180 mm × 1/4 = 45 mm
前ウエストダーツの縮小分 ・・・45 mm - 32 mm = 13 mm 前ウエストダーツの縮小分 ・・・45 mm - 28mm = 17 mm
[B] 後ろ巾の拡大分は 16 mm,後ろ肩巾の拡大分は 11 mm です。ですから背巾線を基準にして後ろ中心線を 16 mm 移動すると後ろ肩巾は 5 mm 広くなり過ぎます。
この修正は後ろ身頃全体の操作を終えてから後ろ中心、肩ダーツ、肩先で行います。なお前肩巾は後ろ肩巾に合わせます。
肥満体型では後ろ肩に脂肪が付きますのでこの分量をその儘『ゆるみ分』にする場合や『肩の丸み分』として肩ダーツ分量に全量加えてしまう場合も有ります。
[C] 背丈・後ろ丈の操作は 5 mm の縮小です。これに対して後ろ肩丈は 11 mm, 前肩丈は 10 mm の拡大です。この場合は後ろ丈・背丈の縮小は脇・後ろの
ネック点を下げることによって行います。 後ろ肩丈・前肩丈の拡大はカマ巾のバスト線を下げる事により行います。なお袖ぐりを深くする操作は前後身頃全体の操作を
すませてから行います。 ※ 先の固定ピッチの拡大ではバスト線はその儘にして背丈・後ろ丈及びウエスト線を上げることによってバスト線を相対的にさげましたが、この例
のように体型が相違するケースでは背丈・後ろ丈は縮小するのに後ろ肩丈・前肩丈は拡大するので別個に袖ぐりを下げる操作を行います。
[D] 肥満体型では一般的にBp点が下がる傾向があるので 10 mm 下げます。(追加事項)この操作は乳頭間隔の操作の際に行います。
☆ 後ろ身頃の操作
[1] 背丈を 5 mm 縮小します。
[2] 後ろ丈を 5 mm 縮小します。
[3] ヒップ丈を 2.5 mm 縮小します。
[4] 後ろ巾を 16 mm 拡大します。
[5] 後ろ首巾を 6 mm 拡大します。後ろ巾拡大分から後ろ首巾拡大分を差し引いた分量 ( 16 mm - 6 mm = 10 mm )脇のネック点を水平に右へ移動します。
[6] 衿ぐり線を結びます。
[7] 肩線とダーツ線を移動します。元パタンの脇のネック点を G に合わせ、後ろ中心線を平行になるように置いて肩線と肩ダーツ線を写します。肩先点を
H とします。
[8] 肩先点を移動します。後ろ巾拡大分から後ろ首巾拡大分を差し引い分量 ( 16 mm - 6 mm = 10 mm ) だけ肩線を延長して肩さっき点を移動します
。H→I ※ 後ろ肩巾は16 mm 小肩巾は 10 mm 拡大しますが比較寸法表との『ずれ』は後ろ身頃全体の操作を済ませてから調整します。
[9] 後ろ肩丈は 5 mm 縮小します。一時的には 5mm 縮小します。寸法表では 11mm の拡大ですが後でカマ巾の
バスト線を後ろ肩丈に先の背丈縮小分を加えた分量 ( 11 mm + 5 mm = 16 mm ) だけ垂直に下げて袖ぐり線を結び直す方法で修正します。
[10] 後ろカマ巾を 6 mm 拡大します。
[11] 袖ぐり線を結びます。
[12] 肩ダーツの頂点の移動をします。頂点は後ろ巾拡大分の 1/2 ( 16 mm × 1/2 = 8 mm ) 水平に右へ、背丈縮小分の 1/2 ( 5 mm × 1/2 = 2.5
mm )垂直に下へ移動します。
[13] ダーツの位置を決めます。元パタンのダーツ位置は NとOですが拡大パタンのダーツ位置は N’とO’に来ます。それで其の中間のN”とO”の位置に修正します。
[14] ダーツ線と肩線を結びます。
[15] 脇側のウエストダーツを縮小(ウエストは拡大)します。ウエストダーツの縮小分の 2/3 強 ( 17 mm × 2/3 = 11.4 mm )をダーツの左右で 5.7 mm
づつ狭くして(P、Q)結び直します。
[16] 後ろ中心側のダーツの記入をします。ダーツの頂点は後ろ巾拡大分の 1/2 ( 16 mm × 1/2 = 8 mm )水平に移動します。R→R’。ウエスト線上の
(21)は移動分に縮小分の 1/2 を加えた分量 ( 8 mm + 2.8 mm = 10.8 mm )だけ水平に右へ、 (22)は移動分に縮小分から 1/2 差し引いた分量
( 8 mm - 2.8 mm = 5.2 mm )だけ水平に右へ移動します。その後にダーツ線を結びます。
[17]後ろ肩巾の調整をします。後ろ肩巾は 16 mm 拡大してありますが寸法表の数値は 11 mm で 5 mm 縮小します。縮小分の内」 3mm は後ろ中心
線でカットし、カマ丈の 1/2 の点と結んで滑らかな中心線の湾曲に収めます。残りの 2 mm は肩ダーツの左右に 1 mm づつ加えます。 後ろ中心のカット分は
3 mm が限度で、後は肩ダーツで処理します。分量が多い場合は肩先点でもカットしますが此処での分量は 1 〜2 mm が限度です。
☆ 前身頃の操作
[1] ヒップ丈を 2.5 mm 縮小します。@→A
[2] 前巾を 32 mm 拡大します。B〜B’→C〜C’
[3] 前丈を 7 mm 拡大します。D→E
[4] 前首巾を 6 mm 拡大します。前巾拡大分から前首巾拡大分を差し引いた分量 ( 32 mm - 6 mm = 26 mm )水平に左へ移動します。
[5] 補助パタンを作成します。 (イ)前首丈を 6 mm 拡大する。 (ロ)前首巾を 6 mm 拡大する。 (ハ)後ろの小肩巾拡大分から肩ダーツ拡大分を差し引いた分量
( 10 mm - 2 mm = 8 mm )だけ拡大する。 (ニ)元パタンの脇のネック点、 (ホ)肩ダーツの位置
[6] 前のネック点を移動します。補助パタンの(イ)をFに合わせ、前中心線を平行に置いくと(ロ)は前中心線の延長上に来るのでこの位置を拡大パタンの前のネック点とします。
[7] 衿ぐり線を結びます。
[8] 肩先点を 6 mm 下げます。G→H前肩丈の操作は 10 mm 拡大ですが背丈・後ろ丈で 5 mm の縮小し、後ろ肩丈の 11 mm の拡大の為、あとで
カマ巾のバスト線を 16 mm 下げますから此れに合わせる為にバスト線の移動分から前肩丈の拡大分を差し引いた分量 ( 16 mm - 10 mm = 6 mm )だけ
肩先点を下げて置きます。
[9] 乳頭間隔を 12 mm 拡大します。Bp点を前巾拡大分から乳頭間隔拡大分を差し引いた分量 ( 32 mm - 12 mm = 20 mm )水平に左へ
移動します。
[10] Bp点を1 0 mm 下げます。(追加事項)
[11] 脇のネック点を倒します。Bp点K を中心にして K〜F を半径にした円弧を振ります。
[12] 小肩巾を合わせます。補助パタンの(ハ)を肩先点の H に合わせ、(ニ)が[11] で描いた円弧に交わる点を L とします。またダーツの位置を M
とします。
[13] 肩ダーツの位置を 6 mm 移動します。M→N
[14] ダーツNを倒します。Bp点を中心に K〜Nを半径にして円弧を振ります。
[15] ダーツの位置 O を決めます。脇のネック点Fから L〜Nの長さを[11]で描いた円弧上にとって O とします。
[16] 肩ダーツ線を結びます。O〜K〜N、
[17] 肩線を結びます。P〜O、N〜H、
[18] 前カマ巾を 6 mm 拡大します。P〜P’→Q〜Q’
[19] ウエストのダーツを 20 mm 移動し、 分量を13 mm 縮小し ます。ヒップ線上のダーツの頂点は水平に左へ 20 mm(Bp点の移動分) 移動します。R→R’。
ウエスト線上の (20)は移動分に縮小分の 1/2 を加えた分量 ( 20 mm + 6.5 mm = 26.5 mm ) だけ水平に左へ移動します。(20)→(20)'.
(21)は移動分から縮小分の 1/2 を差し引いた分量 ( 20 mm - 6.5 mm = 13.5 mm ) だけ水平に左へ移動します。(21)→(21)'
[20] ダーツ線を結びます。
[21] 袖ぐり線を結び直します。カマ巾のバスト線を後ろ肩丈拡大分に背丈縮小分を加えた分量 ( 11 mm + 5 mm =16 mm )だけ垂直に下げ、
袖ぐり線を結び直します。 ※ 後ろ肩丈は 11 mm,前肩丈は 10 mm 拡大します。