- 前中心線の H2 ~Wf を 1.0 cm 左へ移動し、H2' ~ Wf' を引き、,衿ぐり線の H ~ H' とし、H' ~ H2' と新しい衿ぐり線とします。
- バストポイントは 0.6 cm 左へ水平に移動します。乳頭間隔の拡大分量は次のように計算します。
乳頭間隔の標準比率はバスト× 1/10 + 0.5 cm ですからこの場合ではバストの拡大量 4.0 × 1/10 = 0.4 cm となります。前中心線は
1.0 cm 拡大しているので其の点から 0.4 cm 大きくなりますから元の Bp からは 1.0 - 0.4 = 0.6 cm 移動することになります。
この『行って帰る』計算方式は後のグレーデイングでも多用しますので慣れて置きましょう。
- 肩線の H ~ e は左へ 1.0 cm 移動して H ' ~ e' となり、e' ~ Bp' ~ f を結んで新しい肩ダーツ線となります。
- ウエストダーツ線では Bp ~ N1 と平行に Bp' ~ N1' を引き新しいダーツ線とし、ウエスト線を引き直します。
- 操作の結果、このケースではバストダーツ線が倒して増加しているので前首巾、小肩巾、前肩巾は元の寸法に戻っています。
ウエスト寸法はダーツを拡大してないので前巾拡大分量と同量拡大しています。
前巾の拡大を前中心線の移動させてダーツ分量を増加させるのは、前巾が乳房の上を通る長さだからです。乳房の拡大に合わせる為に
前巾の拡大分は前方向へシルエットが張り出るように肩ダーツを増加させます。
★前の小肩巾を後ろの小肩巾に合わせる操作
パタンの作製では基本的には後ろ身頃の前身頃を合わせるように考えます。後ろ巾の拡大に合わせて
前身頃の小肩巾を合わせる操作は次のように行います(左図)
- 肩点 ab - f を延長して後ろ肩巾の長さを ab から取って Hs とします。Hs ~ f の長さを、首脇のネックポイント H' から H' ~ e' の延長線上にとって e" とします。
- H' ~ e",f ~ Ab は新しい肩線です。e" ~ Bp' ~ f は新しいダーツ線になります。
★ウエストダーツを増加させる操作
N2 の位置は変えず, N1 を水平に左へ移動させ、N1’~ Bp' ~ N2 を結んで新しいダーツ線とします。前ウエスト寸法は元の寸法に戻ります。
☆首巾、肩巾、や前巾、の変更の注意ポイント
首巾、肩巾の変更やバストのバランスの変更ではダーツ
の関連で必ず他の部位とのバランスの変化が伴います。従ってパタンの修正に着手する場合は、予めその操作によって起こる他の部位の変化を
予測することが大切です。結果を予測いしてダーツをどの様に扱うか?を考えてから着手します。修正は常に全体のバランスの変化と関係する
からです。
★カマ巾を 0.4 cm 拡げる操作
- カマ巾の拡大は分量を2等分し、前脇と後ろ脇と反軍づつ拡大します。
- 後ろ脇線 S ~ r, 前脇線 S ~ u を共に 0.2 cm 拡大してS' ~ r', S' ~ u' とします。
- 夫々の袖ぐり線、ウエスト線を延長してつなぎます。
★以上のようにバストの変更の操作は重心線・背巾線を境界として前巾は前方向に、後ろ巾は後ろ方向に移動し、
カマ巾は前後に両分して脇方向に拡大します。
バストを10等分して
前巾は2/10+ X cm,
カマ巾は1/10 + 1.0cm,
後ろ巾は 2/10 - X cm,と10分してバランスを観察し、各体型の変化を前と脇と後ろとに分けて変更します。
以上がバランス・カッテイングの考え方です。
D前巾・前ウエスト寸法・前ヒップ寸法のバランス
☆体型のバスト・ウエスト・ヒップの周径はバストに対してお腹の出ている体型、ウエストの出ている体型等、各人ごとに差があります。
バランス計測では重心線を境界にして前部分のバストに対してウエスト・ヒップの寸法がどの様に配置されているか?を計測しました。多くの体型
からの標準と比べて特徴があれば修正します。
シルエットは縦の地ノ目線が素直に垂直に流れている時に安定します。若しバストとウエスト・ヒップのバランスが合わなければ地ノ目線は
垂直に落ちないで前後に引かれ、シルエットは崩れます。
★前ウエストを 1.0 cm 拡げ,後ろウエストを 1.0 cm 狭める操作
- 前のウエストダーツ のウエスト線での開き N1 ~ N2 をo.5 cm ずつ狭めて N1’ ~ N2’ とし、Bp 及びヒップ線の N3 とダーツ線を引き直します。
- 後ろ身頃ではダーツ線が日本あり、背巾線のダーツで 2/3 弱、後ろ中央側のダーツで1/3 強と変更量を配分してJ1',J2' と k1',k2' と
各ダーツを拡げ、夫々をダーツ・ポイントと結び直します。
- 以上の操作で前ウエストは 1.0 cm 広がり、後ろウエストは 1.0 cm 狭まりました。ウエスト全体の分量は変化せずにバランスが変わりました。
★前ヒップを 1.0 cm 拡げ,後ろヒップを 1.0 cm 狭める操作
- 前のダーツ N1 ~ N3 ~ N2 を 0.5 cm づつ狭め N3',N3" とし、ダーツ線を結びなおします。、前のヒップ寸法は 1.0 cm 広くなります。
- 後ろのダーツ K1 ~ k3 ~k2 を 0.5 cm づつ拡げ K3',K3" とし、ダーツ線を結びなおします。、前のヒップ寸法は 1.0 cm 狭くなります。
★以上のようにバスト,ウエスト、ヒップの上下のバランスの変更の操作はバストを中心に、重心線・背巾線の前後の
ウエスト、ヒップのダーツの分量を増減させて行います。体型の加齢による変化、例えば腹部が出ている状態、臀部が痩せてきた状態等に対応しおてパタンの修正を行います。
E背面の設定のバランス
- ☆背面の修正の検討〜よく見られるシルエットのミスで、原因は洋裁学校で習った原型の習慣が残っている為のように思われます。
- 日本の教育では原型の後ろ中心線とバスト線は背面中央で『直角に交差する状態』で描くように教えられます。
- 立体の体型面は紙張りの項で見たように水平のバスト線に対して背中心は『僅かに脇側に傾斜』し、垂直な状態にすれば背巾線の下で
大きくダーツのように空いてしまいます。
- 若し背巾線に下まで空くダーツを取れない原型パタンでしたら背中心を本来の傾斜に戻してやる必要があります。
- 立体裁断の場合、背中心に立ての地ノ目線を通してカットすれば自然にバスト線は脇で引き上げられて
ますので気が付かないかも知れません。しかし肩甲骨の線で縦の地ノ目線を通してカットすると背中心では地ノ目線は僅かに傾斜するので
わかります。
- 平面裁断の原型の場合は次の操作で修正します。
★原型パタンの平面の修正
- 垂直線を引き、直角に交差させてバスト線をひきます。此れをガイド線としてパタンを置きます。若しパタンの後ろ中心線・バスト線がガイド線と一致する場合は修正を行います。
- ヒップ線の W から 2.0 cm を取り W1 とします。
- 後ろのネックポイント E を押さえて身頃全体を左に僅かに回転させて W が W1 に合わせます。すると肩先点 Ab はAb'に僅かに上がり、
脇点 S は S' に、ヒップ線上の脇点U は U' に動きます。
- その状態で衿ぐり線・肩ダーツ線・肩点・袖ぐり線・脇点・脇線を移します。その状態で背中心側のダーツ線・背巾線下のダーツ線を写します。バスト線も僅かに上がっています。
- E 〜 W1 を結び、新しい後ろ中心線とします。後ろ中心線はウエスト線の位置でダーツが取られているパタンでは其の線を写し、直線の場合は直線で結びます。
- 新しいパタン・E ~ h ~ W1 ~ S1 ~ u1 ~ W1 を切り抜き、元のパタンと重ねてバスと線を合わせて見ると水平のバスト線に対して後ろ中心線は脇側に傾斜しています。
- 回転させたパタンを写しているのでバスト・ウエスト・ヒップ線の分量は変わらず、ダーツ量も変わりません。
☆背面のシルエットが予期したような線を描けない場合は以上の操作を試み、トワルでチェックして見て下さい。立体の場合はダミーの肩甲骨の点で縦の地ノ目線を通し、ドレープすると後ろ中心船では地ノ目線は僅かに傾斜します。
つまり立体ではバスト線は後ろ中心線と直角に交差はしてないのです。そのように感じるのは教育で立体との関連からパタンを学ばないことによる単なる『錯覚』なのです。
Ladie's Patan Cutting のホームページ
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