キモノ袖マチの続け裁ち〜連結袖(3)


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袖の前後の分割click

前後のマチと袖下の続け裁ちclick

パネルラインを利用したマチと袖下の続け裁ちclick

マチと袖下・身頃の連結の別の考え方click


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☆ パネルラインを利用したマチと袖下の続け裁ち

    前身頃
    袖と身頃を接続させた状態(上袖線の傾斜を定めた状態)から操作に入ります。
    身頃の Ae 点より d 点と同寸法を袖の Ae より上に取り、袖の d 点とします。


    (1)身頃の d 点と袖の d 点を結び、中央を A 点とします。
    (2)身頃の d - Sf をコンパスにとり、A から円弧を描き、別に脇の Tf から Tf - Sf の円弧を描いて交点を新Sf とします。

    (3)袖の d - S1 をコンパスにとり、A から円弧を描き、別に袖・肘線 E3 から E3 - S1 の円弧を描いて交点を新S1 とします。

    (4)前身頃脇のBPから水平線を出して切り開き線とし、d からBP水平線の1/3 点を目安にパネル線を描き入れ、肩部分を前中心側へ 移動します.前肩ダーツは閉じてパネル線へ逃がします。

    後ろ身頃
    身頃の C1 の上 2.0 cm,に m 点を設定し、C1-m と同寸法を袖の C1 から上に取り、袖の m 点とします。

    (1)身頃の m と袖の m とを結んで中央を B 点とし、

    (2)身頃の m - Sb をコンパスにとり、B から円弧を描き、別に脇の Tb から Tb - Sb の円弧を描いて交点を新Sb とします。

    (3)袖の m - S2 + 0.5 cm. をコンパスにとり、B から円弧を描き、別に袖・肘線 e1 から e1 - S2 の円弧を描いて交点を新S2 とします。
    + 0.5 cm.はイセ分量と湾曲を緩くする分量です。
    (4)B - S2,B - Sb を曲線で結びます。B - S2,は B - Sb よりゆるい湾曲線にします。

    (5)プリンセス線からパネル線へ切り開き線を出し、肩部分を後ろ中心側へ移動します。後ろ肩ダーツは閉じてパネル線へ逃がします。



    先に述べた方法はマチを製図し、それに袖下を連結する順序で考えましたが、その他に切り離した身頃,又は袖下にマチを製図し、後に袖下、身頃に それを合わせる方法があり、簡潔に行えるのでそれを紹介します。
    ☆ 方法の手順

    (A)キモノ・マチと身頃の接続裁ちのアプローチ

    @ 身頃の脇部分を裁ち出し、前後を繋げて接続させ、袖下部分にマチを製図する。
    A マチ+脇部分を切り離し、マチ部分を袖山部分に逆さに繋げて袖巾の前後からマチ部分を削除する。
    B マチ部分を削除された袖を前後に分割する。
    C 分割された前後の袖を身頃の袖ぐりに接続する。
    D 完成
       前身頃はキモノ袖で脇はマチと前後に繋がった脇部分と接続し、後ろ身頃はマチと繋がった脇部分に接続し、 キモノ袖の前後身頃とマチ+脇部分の三面になる。

    (B)キモノ・マチと袖下部分の接続裁ちのアプローチ

    @ 袖の脇下部分(袖巾の両側部分)を裁ち出し、前後を繋げて接続させ、袖下部分にマチを製図する。
    A マチ+袖下部分を裁ち出し、マチ部分を逆さに前後の身頃の袖下に合わせ、マチ部分をマークし、   身頃の袖下からマチ部分を削除する。
    B マチ+袖下部分が削除された袖を前後に分割する
    C 分割された前後の袖を身頃の袖ぐりに接続する。
    D 完成
      袖下は前後に繋がってマチと接続し、前後のキモノ袖と袖下のマチ+袖下部分とで三面になる。

    (C) キモノ袖はマチ部分を身頃や袖下に接続する事により、色々なバリエーションが出来、アプローチは切り込みマチより簡単なのに 日本ではあまり見られないので紹介しました。





    (A)の製図
    [ 身頃の切り替え ]
    @ マチ巾線のガイド線を引く。前身ではAe点とW線のS1点を結び、,後ろ身ではC1点より,1 cm 袖側に離れた点,vとW線のs2点を結び、 ガイド線とする。

    A 前後の身頃の脇線に直角にマチ巾線を出す。前身では脇点S点から直角線を出し、ガイド線との交点をKとし、後ろ身では同様に脇点sから直角線を 出し、ガイド線との交点をK3とする。

    B 身頃ではS〜Kより 1 cm 減じた寸法をウエスト線のS1より取り、後ろ身でも同様にs〜K3より 1 cm 減じた寸法をウエスト線の s1より取り、それぞれK1,K4としてK〜K1,K3〜K4を結んで脇部分の切り離し線とする。


    [ マチ+身頃部分の製図 ]
    C 前後の脇部分を接続し、S〜S1の脇線を上に20 cm 延長し,2・0 cm 前側にポイントをとり、S点と結んで前方向への袖の傾斜線とする。

    DSよりバスト×1/10 の寸法をとり、K2点とし、K2〜K,K2〜K3 を結んでマチ線とする。

    [ 袖の分割とマチ部分の削除]
    E前後の袖山線を計測して袖下点 s,S より頂点へ向けて計り(イ)(ロ)をマークして、その中央から肘線へ向けて垂直線を下ろし、袖山をなだらかな曲線で で繋げて分割する。

    F前袖にマチ部分を逆さに重ねてK2を前袖下線に、s点にSを合わせて置くと袖側のKの位置が決まり、K2−K−脇線のマチ部分を削除する。

    G後ろ袖も同様にマチ部分を逆さに重ねてK2を前袖下線に、s点にSを合わせて置くと袖側のK3の位置が決まり、K2−K3−脇線のマチ部分を 削除する。

    H前後の袖はそれぞれの中央から分割線を記入する。前袖は(ハ)から袖口線の中央へ向け、後ろ袖は袖口ダーツと結ぶ。




    [ 身頃と袖の接合 ]
    I前袖の(イ)と肩点A1を合わせ、袖のKを身頃のKに合わせ、袖のK2点では 2.0 cm 以上身頃から離して据える。(ハ)では袖巾が多少開くようになる。

    J 後ろ袖の(ロ)と肩点A2を合わせ、K3を身頃のK3に合わせて据える。(ニ)では袖巾が多少重ねるようになるが、肘点のダーツに逃がして 肘巾・袖口巾に影響がないようにする。

    (B)の製図

    [身頃のマチ線の記入]

      @ マチ巾線のガイド線を引く。前身ではAe点とW線のS1点を結び、,後ろ身ではC1点より,1 cm 袖側に離れた点,vとW線のs2点を結び、ガイド線 とする。

    A 前後の身頃の脇線に直角にマチ巾線を出す。前身では脇点S点から直角線を出し、ガイド線との交点をKとし、後ろ身では同様に脇点sから直角線を 出し、ガイド線との交点をK3とする。

    B マチの長さはバスト×1/10とし、身頃脇点から下にS-K1,s-k1と取る。夫々K〜K1,K3〜k1を結びマチの切り離し線とする。





    [ マチ+袖下の製図 ]

    C 前後のマチを逆さにして脇線を接続させ、K1〜Sの脇線を上に 20 cm延長してその点から 2.0 cm 前側の点Mと S点を結ぶ。

    D M の前後に K〜S? 0.5 cm をとりK‘としてK〜K’を結び、下袖の前側の袖線とし後ろ側も同様にS〜K3-0.5 cm をとりK”としてK3〜K” を結び下袖の後ろ側の袖線とする。



    [ マチ+袖下の製図 ]

    C 前後のマチを逆さにして脇線を接続させ、K1〜Sの脇線を上に 20 cm延長してその点から 2.0 cm 前側の点Mと S点を結ぶ。

    D M の前後に K〜S? 0.5 cm をとりK‘としてK〜K’を結び、下袖の前側の袖線とし、後ろ側も同様にS〜K3-0.5 cm をとりK”としてK3〜K”を結び下袖の後ろ側の袖線と する。


    [ 袖からの下袖+マチの削除]

    E 袖パタンを据え、マチを上側にして袖パタンに合わせる。前側はSを袖のS点に合わせ、下袖線を袖パタンの袖線にあわせ、上袖のK点と下袖の前側の 線を記入する。
    後ろ側も同様にSを袖のs点に合わせ、下袖線を袖パタンの袖線にあわせ、上袖のK3点と下袖の後ろ側の線を記入する。

    [ 身頃と袖の接合 ]
    F 前袖の肩点A1と袖の(ロ)を合わせ、袖下はK点を合わせる、身頃のマチ線のK1点では 2.0 cm 離して袖を設定し、(ニ)の分割線では上袖線に 平行に開いて合わせる。

    G 後ろ袖の肩点A3と袖の(イ)を合わせ、袖下もK点を合わせる。(ニ)の分割線では上袖線に平行に重ねて袖巾を合わせる。





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