ラグラン・スリーブ〜連結袖(4)


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袖の分割と身頃の準備

袖の分割と袖山線の変更

    (13)袖の S1',S2'をそれぞれ 1.5 cm.下げて直角線を出します。この 1.5 cm.は脇点を下げた分量の 1/2 です。
    (14)別紙に身頃の d - Sf を写して裏に返し、 d を合わせて新しい Sf が直角線に交わるように振ります。交点を Sf として袖山線、   袖下線を描きなおします。
    (15)同様に後ろでも別紙に身頃の C1 - Sb を写して裏に返し、C1 を合わせて基点とし、新しい Sb が直角線に交わるように振ります。 交点を Sb として袖山線、袖下線を描きなおします。





身頃と袖の合わせ方

    (16)前身頃に前袖を合わせます。身頃の d に袖の d を合わせ、前袖山線が前袖ぐり線に接するように合わせます。
    (17)袖山点 K と肩点 Ab の位置に短い垂直線を引き、水平距離を測ります。

    (18)後ろ身頃に後ろ袖を合わせます。肩点 ab の位置とそこから前身頃の(17)で計った水平距離の同じ距離の点とに短い垂直線を引き、身頃の C1 と袖の C1 とを合わせ、袖山点が先の短い垂直線に合わさるように合わせます。
    (19)前後の肩線から上袖線を繋がりよく描き直します。前後の上袖線は双方とも平らになるように多少、膨らませて引きます。
    (20)地ノ目線は前後とも分割線を基準にして設定します。

完 成

☆ 袖ぐり線を脇で繰り下げ、その分量を袖巾線で出して合わせるテクニックは「袖繰りの拡大」に最も一般的に使われる 方法です。

@ 身頃のC1 - Tb を結んで其の線に平行に袖底点 S1 を下げる。

A 新しい S1 と C1 とを結んで新しく袖ぐり線を描き、それを別紙に写す。

B 袖山の S1 から身頃で下げた分量の半分だけ下げて袖巾線に直角線を出す。

C 先の身頃の C1 - S1 で写してた湾曲線を裏返して C1 に合わせ、S1 を袖の直角各線に合わせる。

D 袖下線を肘から滑らかに描き直す。前側も同様に行います。

  この方法を応用範囲の広い方法ですので覚えて置くと便利です。

    ☆ ポイント
    ☆ ラグラン・キモノ袖では上袖線が上での前方向に流れるように注意する必要があります。腕の後ろ方向に落ちると『スッキリ』とした シルエットになりません。
    ☆ 其の為に肩線を前方向に移動し、合わせて上袖線も前方向に移動します。かつ袖の振りも前方向に後ろ袖の振りを多くします。

上袖線の傾斜の調整

      ラグラン袖の上袖線の傾斜は袖山点を基点にして袖を振り上げる事によって調整します。

      前後のW点の決め方は前袖山点が袖ぐり線と接する点を前W点とし、上袖線に垂直線を引きます。
      前袖山点〜垂直線までの長さと同寸法を後ろの袖山点より上袖線上にとり、直角線を出して後ろ袖山線と交差する点を後ろのW点とします。


    ☆ 前袖の操作

    (1)前Wを基点にして前肩山点が前肩点に接するまで前袖を振り上げます。
    (2)袖側の d - E を結んで袖山の端部分 d - S1 - E を切り開き、E を基点にして前袖山線を右に開きます。
    (3)袖側のラグラン線を、身頃の d を通る位置に引き直します。
    ☆ 後ろ袖の操作

    (4)後ろW点を基点として後ろ袖山線が肩点の 0.5 cm.手前にくるまで後ろ袖を振り上げます。新しい袖山点を K とします。  (0.5 cm.はいせ込み分量)
    (5)新しい k 点を基点にして更に後ろ袖を振り上げます。新 k 点を基点にするのは後ろ袖山部分で身頃と袖の重なりを少なくして、  袖山の後ろ巾が不足しないようにするためです。
    (6)袖側の C1 - e を結んで袖山の端部分 C1 - S2 - e を切り開き、e を基点にして後ろ袖山線を左に開きます。

    (7)身頃の C1 - Tb を切り開き、Tb を基点にして後ろ袖繰り線を右へ、袖側の開いた袖山線に接するまで開きます。

    (8)身頃の C1 - M1 を袖側に振り、祖pでと身頃の C1 に接するようにラグラン線を描き、拡げられた脇点に繋ぎます。
     後ろ袖は身頃の C1 と袖の C1 との間隔が広げられました。

    ☆ ポイント

    袖を振り上げて傾斜を調整しましたが
    @ 袖山も身頃も後ろ側を多く拡大し、上袖線が後ろ側へ落ちないようにする。
    A 袖山の後ろ側のゆとりを前より多くし、袖回りの運動量を増加させる。のがポイントです。 



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