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2004 福江島1周カヌーツアーもの

2006 福江島1周カヌーツアーもの(リンク)

2005 福江島1周カヌーツアーもの(リンク)


2003 福江島1周カヌーツアーもの(リンク)



03〜04年のコースです


0808.ステージ6(福江市 大泊〜長手)
 昨年、岐宿町魚津ヶ崎で終了した福江島1周カヌーツアー、今年は遅れに遅れ、なんとスタートが7月までずれ込んでしまった。いいかげんやっとかないと今年中のゴールはムリだなあと思い、この日に決行!まんじーが来れないのはわかっていたけど根回しがメンドーだったから日程変更無し!

 実施(04/07/10) 参加1名(カドジュン) コース 福江市 大泊〜長手
 今回は1人だ。 まんじーは、お受験の試験勉強のため今日はキャンセル!さらに池シュウが5月末をもって転勤していったため、現在ゴンには、ワシのスカレー(2分割シーカヤック)、ワシのフジタ(折りたたみカヌー、外海は少しキビシイ)ワシのFeelfree(川用のポリ艇)しかない。つまり堂々と外海に行けるカヤックはスカレーしかないというテイタラクなのだ。。。コースは1人ということで福江島の東岸に決めた。風向きとか潮の状況から、全行程のなかでも楽なコースになるからだ。しかし、考えてみればワシは1人で外海に出るのは初めてだった。いろいろ経験があるから、自分でもすでに経験済みと思い込んでいたワシは、意外だなあと他人ごとだった。いよいよというか、やっと一人立ちなのである。

 スタート地点、大泊に着くとケーブルテレビのカメラマンさんが来ていた。何ごとかと聞くと長崎大学の留学生が地引網体験をするそうだ。ワシは彼らを横目に着々と準備していた。Ooh!とかWow!とか盛り上がっていたので行って見ると、タコに大騒ぎだった。美味いのに。。。 準備を済ませてスタート。無人島が多い地域とはいえ、ひさびさの外海はなんというか開放感が違った。天気も良かった。去年体験ダイビングをやった多々良島を横目に漕いでいく。潮や波の影響はほとんどなく快適なツーリングだった。

 小1時間ほど漕いで六方海水浴場にたどり着いた。スタートが遅く、すでに1時を回っていたので昼食にすることにした。六方では海水浴グループやバーベQグループが楽しんでいた。ワシはそこに、さも当たり前のように上陸する。照れると恥かしさ倍増なのでいつも堂々としている。
ビールをキューッ
とやってメシにかかる。去年のツアーから、昼飯は冷やし麺系に限ることに気づいた。去年の高浜では冷やしジャージャー麺、今回は冷やしうどん、消化にいいし、サッと食べることができる。いつも氷入りのソフトクーラーがカヌーの後部デッキに格納されてあるから、お昼に冷え冷えの麺とビールを楽しむことができるのだ。30分ほど休憩して再スタートする。六方を出ると徐々に波の影響が強くなってきた。南向きになるからだろうか。

 波を避けて福江港に入った。厄介なフェリーはすでに出港していて、ついさっきジェットフォイルの入港が見えた。サイクリストは坂や風に敏感になるが、カヌーイストは波や流れに敏感になるのだ。ワシはどっちもやるから自然にウルサイ男になってしまったような気がする。ダラーッと新ターミナルの工事を見物しながら堤防の外へ出ると、いきなり
ゴーッ!
という爆音が背後で轟いた。シーカヤックは基本的に真後ろを向くとバランスを崩しやすいので(なんじゃーっ???)と心のなかで叫びながら避けようとスピードアップした。何のことはないジェットフォイルのエンジン音だったのだが、見えないぶん想像力がかきたてられてワシにとってはスゴイ恐怖だった。かなり後方だったんだけどね。

 その後さらに波が強くなり、ロケーションは溶岩質の海岸線に変わってきた。んっ?どっかでみたことあるぞこの風景!あっ!福江島西岸、三井楽町にそっくりだと気づいた。風景がだぶる。。。ワシは、あのときのハードなステージ4のツアーを一人でやってるのかと思うと、だんだん弱気になってきてやめることにした。あいかわらずヘナチョコだなあ。。。崎山の手前の長手漁港に入ったが、陸からみてもその先の海はやっぱり一人じゃ危険だった。ピックアップに来てくれたまんじーも
「一人じゃヤバイですよ。
だいたい一人じゃ沈しても撮影するヤツがいない
と、ものすごくゴンおもい(?)の発言をしてフォロー(?)してくれた。
せっかくまんじーも来てくれたので、ワシはセルフレスキューの練習をやったが、乗っかったまんま向こう側へさらに沈するというザマで、将来的な不安を露呈する結果となってしまった。

 GPSをみると距離にして10km、平均時速5.5km。歩くよりも速いという感じだった。まあまあだろうか。今回のツアー終了を受けて次の目標が完ペキに固まった。ステージ5のゴール魚津ヶ崎とステージ6のスタート大泊を結ぶ線が必要なのだ。難所福江島最北端糸串鼻に挑むことをまんじーと誓った(ただし伴走船つきで!)

長崎大学の留学生たちが地引網体験
結果は…

六方海水浴場
福江市街に一番近い海水浴場かな

わかりにくいけどバウの先には
ジェットフォイル2が!
すごいコラボレーション!
なかなか実現できない画像だなあ。。。







大浜をスタート
この海と空をみてると
成功しそうだなあという気になる
0809.ステージ7(福江 大浜〜黒島〜富江さんさんキャンプ村)
 7月の後半、いきなり『おひさしぶり〜』というのは、5月で転勤してしまったゴンのカヤック師匠・池シュウからの電話だった。シュウちゃん「8月のアタマに福江で仕事が入ってるんだけど、8月7日にカヌーしない?」カドジュン「了解!」即決で今回のツアー計画が成立してしまった。

 実施(04/08/07) 参加3名(カドジュン、池シュウ、まんじー) コース 大浜海水浴場〜富江町黒島〜富江さんさんキャンプ村
 考えてみれば、シュウちゃんとカヌーを漕ぐのは去年7月の遭難しかかったカヌーツアー以来だ。1年ぶり以上になる。コンディションもいいので、コースは黒島を経由して富江までの約10kmに決定! 黒島は富江町に属しているが、富江からも大浜からもだいたい5km沖合いにある有人島だ。ワシはまだ行ったことがない。でも、だいたい椛島にも、赤島、黄島にも行ったことがない。ワシでも行ったこといないところはいっぱいあるんだ。これからなんだよ!しかし、ワシなんて本当に島のいろんなところに行ってる方で、行くことがないまま一生を終えるという地元人がほとんどのはずなのだ。五島の魅力を地元民自身が理解できない原因の一つだと思う。

 今回のカヤックは、ワシ=愛艇スカレー、シュウちゃん=友だちから借りて長崎から持ち込んだカヤック、まんじー=イビザからお借りしたポリ艇。奇しくも3艇すべて赤というカラーリングはなんとも妙だった。大浜をスタートし、舵などを調整しながら本格的に沖合いに乗り出す。波が穏やかなのでビデオ、デジカメ撮りつつの、快適そのもののツアーだった。ワシはシュウちゃんから「おっ、だいぶ上手くなったね」とほめてもらった。去年、基本をシュウちゃんから習った後、何度もカヌーに乗ってきたが、気をつけながら漕いだおかげかもしれない。たしかに今なら30kmは行けるはずだ。

 途中、タバコ休憩を取りつつ1時間あまりで黒島に到着した。かなり暑い!ビールでノドを潤し、昼メシにとりかかる。今日は、冷やしソーメンのみ!だけどハラへってるし、冷たいものが食べられるというのは、かなり魅力だった。シュウちゃんとまんじーは8束買って来ていた。普通なら「そんないっぱい食えねえよ」とひくんだけど、今日なら3人でいけるんじゃないとワシも妙に強気だった。ワシは撮影に徹し2人に調理を任せた。2人はソーメンをガッと茹でて、海水でガッとしめる。いやあ、豪快で気持ちがいい。持参した氷を鍋に放り込み、冷しソーメンの完成だ。それぞれ食器に放り込み、ツユをぶっかけて喰らう!「うめえ〜っ!」いや、疲れとか暑さは最高に料理を美味しくする調味料だ。こんな美味いソーメンひさびさに食った気がする。記憶に残るソーメン… ワシが小学生のときに水泳指導で一日海で泳ぎ、家に帰ったあと食ったソーメンはかなり美味かったよなと思い出していた。しかし、美味かったのは最初の2杯ぐらいまでだった。じょじょに「薬味がやっぱり欲しいよね(なかったのだ!)」「ツユこゆくねえ?」「なんだよ!これストレートじゃん!」「からいと思ったんだよ。水どこ?」口の働きはだんだんと食べるよりもボヤキに費やされた。空腹が満たされるとともに、人間は謙虚さを失うことをワシは知った。なんだかんだいいながら、結局、完食はできなかった。

 腹を満たして、これからのコースを話し合う。天候があまりよくない。雷の音も聞こえる。「黒島1周する?」「早めに富江に渡って、コースタル(湾岸沿い)に大浜まで帰ろうか」「とりあえず東側の穴らしきところには行きたいよね」ということだった。結論としては、天候もビミョーなので、東側の穴に行ってから富江に向かおうということになった。

 港を出て200mぐらいのところにカレホコ鼻という岬がある。そこに穴が開いており、シーカヤックや小型のボートなら入れそうだった。福江島でも何ヶ所かみたことはあるが、カヌーで入るのはワシもはじめてだ。入ってみると、高さ5m、長さ10mぐらいだろうか。結構広い空間が広がっていた。なんとその先は海につながっており通過することができる海上トンネルになっていた。トンネルの壁面は規則的な波紋が残っていた。磯のゴツゴツした荒々しさとは趣きが明らかに違う。長年、波風に浸食され続けた結果だろう。ワシらが死んだあともこの模様を刻み続けるのかと思うと、やっぱり自然には勝てねえ!と思ってしまう。トンネルの隣には、さらに二つ目のトンネルが開いていた!こちらもカヤックで通過することができた。う〜ん、黒島スゴイじゃないか!これならツアーとして絶対成立するぞ。こんなフィールドを知らなかったなんて、かなり今まで損した気分になる。天気を考え、黒島周辺の探検はここで終わることにする。もしかしたら、まだ第3のトンネルとか、何か隠されているかもしれないが、雨も降ってきたしそれは次の機会の楽しみにしておこうと思う。

 黒島を離れると、帰りは行きよりもベタ凪だった。雨もやんだ。ワシはかなりお調子だった。快調に漕いでいるとなんだか、かなり楽しい気分になってくる!適度な疲れのなかでのナチュラルハイ?エンドルフィン(脳内麻薬)がサクレツしたカンジだった。黒島にいるとき、シュウちゃんから 「カドジュンくん、陸と海じゃ年齢が違うよ。陸じゃ老け込んでるよ。海じゃホンット楽しそうだもん」と言われたが、自分でも海上のワシはテンションたけえなあということに気づいた。だって、本当に気持ちいいんだよ、シーカヤックのツーリング!まんじーが今回、結構へばっていたのが驚きだったが、その理由はステージ8で何となくわかった。

 帰りの5kmはあっという間だった。富江さんさんキャンプ村にある海水浴場は人で賑わっていた。あいかわらず違う空気を漂わせながらワシらは砂浜に突入していったが、それほどギャラリーの反応はなかった。かえってさびしいぐらいだった。
(仮説)富江の人たちはアイアンマンのおかげで違う価値観の人に慣れてるのかな?ああ、こんな人もいるのねってカンジで…

 シュウちゃんはまだまだヤル気十分で、イビザに戻った後ウェイクボードに行ってしまった。今度は九十九島で漕ぎたいなあ。今回のツアー、スタートが遅かったのと天候がビミョーだったため、距離的には12kmぐらいだった。しかし、これで福江島1周は約半分終わったことになる。どんどんゴールが現実的になった気がした。もしかしたら、今年中に行けるかもしれない。

黒島めざして漕いでます

シュウちゃんとまんじーが
昼メシの準備

カレホコ鼻のトンネル入口
シュウちゃんが入れるかどうか確認中

トンネル内部
先客の小型船はワシらに驚いたのか?
出て行ってしまった


0810.ステージ8(岐宿町魚津ヶ崎浜田海水浴場〜大泊町)
 いよいよツアー前半の最山場、福江島北岸を攻めるときがきた。やっとだ… できれば北風が吹きだす前に終わらせなければならない。つまり10月になるとキビシイ。。。もしタイミングを外せば、今年もアウトだろう。時期的にみて、最後のチャンスは9月下旬の小潮のときだと判断した。

 実施(04/09/22) 参加2名(カドジュン、アキヒコ) コース 岐宿町魚津ヶ崎〜福見〜間伏〜大泊 20.7km
 まんじーが来れないといい、アキヒコがちょうど休みだというので平日に設定した。この日は小潮でかなりいい。ほとんど流れないはずだ。しかも風もそんなにない。ここで行けなかったら本当に今年のツアーもゴールできずに終わることになるだろう。何としてもやりとげたかった。スタート地点は岐宿町魚津ヶ崎浜田海水浴場、思えば、1年前ワシとまんじーはこの場所で断念したのだ(ステージ5)。まんじーはヤル気だったから、ワシが断念させたのか?いやどっちにしろここで昨年は終わった事実は変わらないのだ。

 今回ひさびさにカヌーを漕ぐアキヒコだが、こういった本当のシーカヤックは初めてだった。ヤツは商工会のシットオントップしか乗ったことがない。ヤツなりにイビザから借りてきたカヤックの調整をやって出発(当然アドバイスなし)。コンディションはいい。雨が降ってきたが、信じられないほどのベタなぎである。陽射しもないのがウレシイ。じつは海の照り返しはコワイ。何がコワイかってあれで船酔いする人もいるんだ。しかも帽子かぶってんのに顔が日焼けする。だから真夏にシーカヤックをする目的は、ビールを死ぬほど美味くするためのモノでしかない気がする。ちなみに最近ワシの酒量は減った。しかし今でも漕いだ後にビールがないツーリングなんてワシは絶対に許せんのだ!(なんでこんなムキに…)

 やはり漕ぎなれていないアキヒコは、撮影しながら漕ぐワシよりも遅れ気味だった。仕方ないのでパドルを交換してやる。これでちっとは違うだろ。パドルが軽くなってアキヒコはやっと慣れてきた気もするがやっぱり遅い。最悪リタイアも考えて岐宿町の福見という集落に上陸することにした。ワシらは軽くオニギリ食って休憩した。この福見は陸路で来ようとすれば旧福江市を通らないと来れないのだが、実は岐宿町になるのである。飛び地というヤツだ。不思議な集落だなあ。。。民家は2,3軒しかない。アキヒコは足の位置を合わせていた。後からワシもこのイビザのカヤックに乗ってみて知ったのだが、このフットペダルのポジションは最初から悪すぎだった。ワシらみたいに足が短いヤツじゃ、十分届かず踏み込めないのだ。カヤックを乗りこなすにはニーグリップといって、ヒザである程度カヤックを内側から固定しなきゃならない。バランスが悪くなるし、姿勢も悪い、スピードも出ない、とにかくキツイ!そうかそれでまんじーが黒島の後半、なんで伸び悩んだかがわかる気がした。アイツも足が短いんだ(爆)調整終了したアキヒコのやる気は萎えてなかった。よかった。ならば潮が変わるまでに福江島の最北端・糸串鼻をクリアしたかったので早速スタートした。

 福見から外海へ出ると、無人島群が見えはじめた。ホゲ島である。まだ横からなのでわからないが、この島には大きな穴が開いている。(他にも『ツアーもの福江島ドライブ』に画像が載っています)それも島の真ん中に!だ。非常に不自然な自然現象という矛盾を抱えている島なのである。今回、近くで見てみたいが、近づき過ぎるとわからなくなる可能性があるのでちょうど陸との中間ぐらいを漕ぐことにした。天気もじょじょによくなり、本日一番のシャッターチャンスもタイミングよくやってきた。しかも画像のとおりのベタなぎで撮り放題だ!こんなこと年に何回あるかわからない!ベストコンディションにしてもらって八百万の神様に感謝!素晴らしい!こういうアングルでホゲ島をみれるなんて本当にカンドーだ!近いので穴の内部もよくわかる。陸上でみるよりも当然、臨場感が違う。しかも意外に島そのものがデカイ!これなら本気で磯釣りアングラーについて行ってキャンプが出来そうだ!

 しばしワシらはタンノーして先へ進んだ。かなり後ろ髪引かれる。こんなことめずらしい。半日いても飽きなかったかもしれない。気持ちを切り替えて福江島最北端の糸串鼻を目指す。ここを通過して制覇するのが、今回のツアーのクライマックスだ。なぜかというと、ここはとにかく思いっきり難所だ(爆)潮目だし、外海だし、いよいよこんなとこで遭難したらどうしようもなくなる場所なのだ。しかし「あれっ、変な流れかも…」という程度であっさり通過してしまった。「福江島最北端制覇〜っ!」とカンドーはしたのだが… いっちゃいけないのだが… 別に障害が欲しいわけじゃないのだが…(だから細心の注意払って準備し、予定を組んだしね)今までの覚悟の割りにはあっさり過ぎて物足らなかったのは否めないのだ。まったく苦労したいのか楽したいのか、どっちやねん!人間ってムズカシイね!てへっ!

 難所をあっさりクリアして安全な間伏(まぶし)で遅めの昼食休憩をとる。ここが島最北端の集落。しかし何人住んでるんだろ?今回ワシはノンアルコールビールにしてみた。これが意外にいい。最近はツアー途中の缶ビールも一本までにしている。とにかく2本以上飲むと疲れやすい。肝臓からダメージが全身に伝わり、終盤疲れるパターンが多くなるのだ。しかし、これなら雰囲気もそこそこ味わえて、そこそこ美味い。体のダメージも少なく、もうやめちゃおっかなあ〜っというだらけた気分にもなりにくい。活動中はこれぐらいでいいのかもしれないなあと、ゴンがちょっと健康的で健全なアウトドアチームになりつつあった(ホントにいいのかな?)。じつはここで休憩をとるのは理由があって、潮が変わるのを約1時間待つのだ。この福江島と久賀島の間の田ノ浦瀬戸については、釣りが好きなワシの伯父さんから
「潮の早か大潮のときには行くなよぉ!あそこは川ぞ!」
とさんざんありがたいアドバイスをいただいた。あとアイアンマンの審判で一緒のV-MaxのFさんは仲間とシーカヤックで横断しようとして沈したらしい。恐るべし…

 日に焼けながらの休憩後、ワシらはスタートした。小潮とはいえ引き潮がワシらを運んでくれる。快調だ!残り10kmぐらいあるのだが、明らかに後半のペースが速い。なにしろ周囲で一番大きい音はワシらが波にたてるパドルの音なのだ!ショートカットでぐんぐん飛ばし、改修中の戸岐大橋を遠くに眺め、堂崎天主堂も遠くに眺め、紫の定期船も眺め、ワシらは快適なツーリングを楽しむのだった。ゴールの手前、残念だったのが樫ノ浦(かしのうら)にある漣(さざなみ)の化石がよくわからなかったことだ。この化石をみるためには陸上から行きにくいため、海上からならどうだろう?と思っていたのだが、何がなんだかシロウトのワシにはさっぱりだった。

 そして大泊に到着!ゴール!これで、ついに福江島1周の3分の2が終わったことになる。もう気分的には玉之浦に帰るだけなのだ。もちろん大瀬崎という最大の難所が待ち構えているのだが、最初のスタートから1年半、どうにかなるさという根拠のない自信は、経験を積み重ねたことで「今なら可能だ!できる!」という明確なビジョンに変わってきた。成長だと思う。へなちょこなのは昔も今もかわりないが、へなちょこでもちょっとがんばれば大きいことができるんだぜ!に進化してきた。

浜田海水浴場にて調整中のアキヒコ
まるで真田幸村軍の赤備えだな
ワシらにとっちゃ毎回が決戦なのだ!

いざ糸串鼻へ向けて
燃える男の赤いシーカヤックを漕ぎ出す

ホゲ島とアキヒコ
五島の不自然な自然現象同士の貴重な2ショット!

福江島最北端・糸串鼻灯台の真下を通る

間伏で一杯!のアキヒコ
缶ビールが似合うヤツに悪いヤツはいねえのかも
という錯覚をしちまうな!


ステージ8の地図です
カシミール(地形図作成ソフト)から地図を印刷して、毎回ツアーに持って行きます
ちょっと古い情報なのが欠点ですが、かなり使えるソフトです!
文字や実際のコースは後から本田隊長風に書き込みました




信じられないベタなぎ
海って本当に神秘的だね!と思います
ステージ8といい今年はコンディションに恵まれすぎだ
0811.ステージ9(福江長手町〜大浜海水浴場)
月に断念した長手からステージ7の大浜までつながなきゃいけない!ここが終われば福江島1周まで残り4分の1だ!一気に行こうじゃないかい!

 実施(04/11/07) 参加2名(カドジュン、まんじー) 長手漁港〜立島〜大浜
っきり言って、本当に今はすまなく思ってる!それは今回のツアーを消化試合だと思ってた。距離にして約15km。3時間もあれば漕げる。潮も小潮でおだやか。しかもベタなぎだ。今日はラクショーだなあ。。。と思っていた。(実際、のほほんツアーだったのだが)しかし誤解だった!海の神様!カヌーの神様!本当にアリガトウゴザイマス!こんなサイコーな体験を用意してくれて、カドジュンとまんじーは幸せモノですたい!ではレポートどうぞ!

(前半)
備に手間どり、スタートは11時過ぎていた。でも、ヨユーかましてた。あまりののほほんさに、まんじーは水中写真まで撮るヨユーがあった。しかもなぎだから、海の中もサイコーにキレイなのよ。ものの1kmぐらいでお昼になったので、海上でパンを食べる。さっきから気になってるのが、崎山の沖合い4kmにある島だ。名前は立島(たてしま)と地図にあるけど、実際はいくつもの無人島や岩礁で構成されている。地元福江のまんじーが教えてくれる。

「あそこの島は、むかし鬼岳の上から鬼が力くらべでデカイ岩を投げたそうっすよ。落ちた岩がああいう島になったっていう、いい伝えがあるらしいですよ」
「へぇ〜、そうなんだ。聞いたことがあるかもだけど、オモシレエねえ。やっぱ地元の玉之浦以外のことはワシも昔話、よく知らないよなあ。。。当然だけど」

その島を見てるうちにふと思いついてしまった。考えてしまうとすぐ口に出すのがワシの悪いとこでもあるし、良いとこでもある。つまりケース・バイ・ケースができてるときはよろしかってこと。。。そうじゃなきゃサイアク。。。何を思いついたかというとこんなコンディションめったにない!時間もまだまだある。ワシはまんじーを次のように誘ってみたのだ。

「あそこまで行けんかなあ?」
「行けるんじゃないですか」

ワシは婉曲的にまんじーに行く気はあるか聞いた。こういう返事をするときのまんじーは、行ってもいいという気持ちがあるということだ。そうじゃなかったら「えーっ、キビシイよぅ…」という。2年遊んでてわかってきている部分があるのだ。このようにある程度相手の考え方を予測したり、ワシらだけしかわからないような言い回しをワシはゴン語とよんでいる。ゴンならではなのだ。他にはカドジュンの「やれるさぁ〜!(同義語 大丈夫さぁ〜!)」 →(意味)全力つくして、条件整えてやればできる! けど、実際はそこまで努力するわけないし、楽観的な観測が含まれているので、4〜6割しかできない。あとは対象者を誘い出す目的があるため、心配しなくても大丈夫だよおってカンジの甘い言葉になるのだ。ちなみに、まんじーはこの「大丈夫さぁ〜」を警戒しているみたいだ。

「行ってみようか?」
「う〜ん、そうっすね」

さぐりを入れつつ、段階的に誘い込む話術である。いかにも詐欺師的手口だ。

「このまま(ゴールに)行っても退屈だし、行きますか」

こうなると、ワシのなかじゃ キタ━(゚∀゚)━! (スマン…)ってカンジになるのだ。(ふたつの意味でスマン…)

とりあえず… まわり道 決定!

島までおそらく1時間もあれば行けると思う。おだやかな海を漕いでいく。本当にこんなに恵まれてていいの?という好天。よすぎて気味が悪いぐらいだった。まあ心配しなくても、どうせこれからのバトルでスゲエ悪天候に見舞われることもあるだろう。こんなのバランスに過ぎないと思う。だから、せっかくのいい天気、今日は思いっきり楽しんでやろう。福江島の最東端は崎山の東のほうだ。ここをクリアして、ついに北端と東端をまわったことになる。あとは富江の最南端と大瀬崎の最西端だけだ。
(後半に続く)

まんじーの水中撮影
ほかにも映画上映ロゴのバックになった
キビナの群れもまんじーは押さえた!

立島へ向かうワシ
「BEPALの写真みたいだ」といわれた名作
まんじーの撮るタイミングがいいよ。ナイス!

メインの大立は雨風波で木が根元からボロボロだった
自然の恐さをみせつけられた

大立の岩場には海鳥のコロニーがあった!
数百羽の鳥たちがワシらを警戒していた

てっぺんに岩がデンと乗っかった小立

なんか動物が遠吠えしてるみたいな中立

福江南西部の山々!
左から臼岳・箕岳・鬼岳・火ノ岳
黄金のカルテット
(後半)
ょっと退屈な道中、一羽のカモメが波間を漂っているのをみつけた。ワシはまんじーに
「あの鳥の名前 なんていうの?」ときいた。鳥の種類じゃなくて、ふざけて固有名詞をきいたのだが、まんじーは見事にこちらの意図を理解して、こういった。
「えっ?… 
のりお!
すかさずワシは、そのカモメにむかって
「のりお!」と叫んだ。するとのりお(カモメ)は、くるっとこっちに振り返ってワシらをみたのだ!
ギャハハハ!(2人)
「みたよっ!オイッ! アイツ本当にのりおなんだっ!」
「いやあ!バクショーッスねえ!」
ふり返るカモメのタイミングのよさにワシらは海上で大笑いしてしまった。
以上、退屈してるとこんなバカなことばかりやってるというゴンのウラ話。(こういうのは映像になかなか残らない)

東端をパスして沖を目指す。1kmほど行ったあたりで前方をみると、立島の上空で黒いモヤのようなものがウワッと湧き上がった。鳥の群れだ!かなりの大群だ!すかさずビデオを構える!距離にしてまだ2kmぐらい前方なんだけど、その群れはなんとワシらの方へ向かって飛んで来た。撮影のチャンスとビデオカメラを構える。すると予想よりも速いスピードでどんどん迫ってきた。それもまんじーの方に!えーっ!?まさかまんじー襲われる?なんて思っていたら何百羽はいるだろう鳥の群れはまんじーの隣20mのところを猛スピードで通過し、あっという間に福江島のほうへ消えていった。時速80kmぐらいだろうか。大きさはツバメか、もう少し大きいかといった感じだった。ワシは動植物にはまったく疎いからぜんぜんわからないのだ。「あの鳥はなんですか?」ときかれても「食べられます」としか言えないレベルだ。ワシらは「おおおおおっ…」とおどろきつつあっけにとられていた。しばし感想を言い合い、先を目指す。今回のサプライズ@

の鳥はビデオに撮れたかなと考える。ちなみにビデオはパドリング中はカヤックに置いて撮影したりするが、これが上下動が多くて、ちまたでは自宅で船酔いが体験できる映像とよばれている。あまりオススメできない。あとオススメできないのが、まっちゃんのメットカム。MTBに乗っている感覚を自宅で味わえるというが、あまりのスピードと振動でこれもお茶の間で乗り物酔いが味わえそうなのだ。

島に到着する。海の透明度と島の異様さのアンバランスさがスゴイ!非日常の世界だ。とくに一番大きい大立に圧倒された。申し訳なさげに木が生えていたのだが、ほとんどが根こそぎ風と潮でやられているのだ。荒涼としたガケに木がしがみついているみたいだった。まんじーがいう。「来てよかった…」中立の赤い岩盤をみて火山の影響を感じる。鬼岳と同じような岩質かも。鬼が投げたという言い伝えの根拠かもしれない。オモシロイ。来た甲斐があった。コースを延ばすと疲れるけど、こういう自分たちだけの体験ができると疲れも感じない。しかし、福江島からほんの少し沖合いにこんなロケーションが広がっている。つくづく知らない人はもったいないなあと思う。今回のサプライズA

ばし休憩して、大立をひとまわりして先へ進むことにした。外海側に出ると、大立のガケの中腹に海鳥のコロニーがあった。侵入者に警戒しているのがわかる。ワシらはだまって通過したが、なにかのきっかけで一斉に飛び立った。ヒッチコックの鳥だ!これじゃ!ビビリながら島から離れていった。幸い何もされなかった。トリ爆弾も落としてこなかった。よかった。本当にそれが一番よかった。落ちてきたら、間違いなく沈プレー賞の候補にあがっちゃうから。。。

常の裏側の風景をタンノーしつつ塩津まで漕ぐ。ここの港で休憩してはじめて気づいたが、2時間30分カヌーに乗りっぱなしだった。こんな長いの初めてだった。自信がついた。しかし、そこで事件はおきた。休憩も終わって、さあゴール目指そうかというところで、ワシは乗り込み沈をしてしまった!「の〜りチ〜ン!」とまんじーがはしゃぐ。油断してた。というかワシは10月に水無鍾乳洞で遭難しかかってからなんだか気が抜けているようだ。死を意識した体験のあと、こんなサイコーに快適なカヌートリップやったからフヌケていたのだ。反省… 今回のサプライズB

上からみる鬼岳にカンドーしつつ、大浜にゴールした。これで線と線がつながった。あとは富江からゴールの玉之浦を目ざすだけだ!一番の難関が待ってるのはわかっているけど、やっぱりゴールがみえてくると素直にウレシイ。シロウトではじめたこのツアーだけど、やっぱりやればできるものだと思った。


自分が逃がしたゴミを自分で回収
シュウちゃんの-1+2運動みたいにはいかない
よほどの理由がなければまわってでも回収じゃい!

カドジュン シーカヤック初沈!
しかも乗り沈!
どうも10月の鍾乳洞から気持ちの調子がおかしいのだ

鬼岳をバックに非日常の記念写真
今回カヤックでないと楽しめない!
っていう体験がたくさんできた
消化試合なんていって本当に申し訳ありませんでした!

海と空が同化した空間のなか
ぽっかり浮かぶ富江町黒島バックに漕ぐ幻想的な風景
こういう風景のなかだと
まんじーでさえ爽やかにみえてくる


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特典
スライドショー
カドジュン・リカバリーを練習するの巻